space  OTONARI

神奈川県の西湘に位置する湯河原「spaceOTONARI」ではアートやデザイン、工芸(伝統工芸含む)テキスタイル、写真、など多様な企画展を開催しており、訪れる人々に新しい視点や体験を提供しています。 更に作品の完成度だけでなく、作家の表現活動やその背後にあるコンセプトに重きを置いていることから、時には工芸の作家がインスタレーション(空間演出)によって表現することも厭いません。それによって見る側に深い理解を促す展示が行われています。
湯河原という地域の特性を活かし、地元の文化や伝統と結びついた企画展も行われることがあり、地域の活性化にも寄与しています。また展示だけでなく、作家との対話やワークショップなどのイベントも行われることがあり、直接作家と交流する機会が提供されています。spaceOTONARIは、アートやデザインに興味がある方々にとって、刺激的で学びの多い場所となってます。

2024年11月1日~11月30日 

 

花坊

”Langsam wie ein Planet sich dreht”  

(ゆっくりと、惑星のように)

 

花坊はリサーチをベースに、過去と現在の風景を重ね合わせる手法で 写真及びインスタレーションによって表現するアーティストです。90年代前半よりコマーシャルフォトのシーンで活動を始め、98年より香港に拠点を移し、現在まで香港と日本の2拠点で活動しています。

返還後の香港の移り変わりを体験したことから、身近に感じるようになった境界線の曖昧さ、不確かのものをインスタレーションにしています。今回のタイトルになった『ゆっくりと、惑星のように』は、ミヒャエル・エンデの 「鏡の中の鏡」の一文です。父であり画家である、エドガー・エンデの作品への取り組み方を真似て制作されたこの小説は、漠然とした今の 世界をそのまま表しているかのようです。確かだと思っていた世界の足元が、朧げに感じてしまう今の時代を表現しようと試 みています。ぜひご高覧ください。